【コラム】外出自粛中の執務 | あつみ法律事務所
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【コラム】外出自粛中の執務

当事務所でも、新型インフルエンザ等対策特別措置法32条1項に基づく緊急事態宣言を受け、テレワーク対応を行なっています。
極めて感染力も毒性も高いとされている新型コロナウイルスですから、自身が感染して家族にリスクを負わせるわけにはいきません。対策として特別なことができるわけではありませんが、せめて手洗いと外出自粛だけは、徹底しようと考えました。
ことあるごとに手を洗っていたら、最初はとても手が荒れました。
私は、偶然、自宅の近くにあるワンルームマンションの一室をテレワーク用の部屋として使用することができたので、そこで執務することにしました。
そのため、外出は、ほとんど自宅とテレワーク用の部屋の往復で1日5分のみ。たまに、コンビニに行っても、5分程度で1日のほとんどを部屋の中で過ごす生活が続きました。

そのような自粛生活を続けていて一番困るのは、文献がないことです。
弁護士の仕事は、文献を参考にすることが多く、事務所では当たり前のように参照していた文献を確認することができないのは、思っていた以上にもどかしいものがありました。 Amazonなどで購入しようにも通常より配達に時間がかかっていつものようにすぐには届きません。
緊急で必要なものについては、仕方がないので買いに行こうかとも思いましたが、ほとんどの本屋が休業してしまっていて、それも叶いません。このときばかりは新型コロナウイルスの威力を思い知り、途方に暮れるばかりでした。

また、外出自粛を続けて、部屋に1人でいると、人と話す機会がまずありません。コンビニに行っても、セルフレジで支払いを済ませていたので、日中に人と話す機会は本当に限られます。
当事務所では、週に1回、定例でミーティングを行なっていますが、1週間で日中に会話したのがそのミーティングだけという週もありました。
ご依頼者からの電話は、貴重な会話の機会なので、普段以上にはりきります。
自分のことを人が恋しくなるようなタイプではないと思っていましたが、外出自粛おそるべし。

新型コロナウイルスの影響は、世界的に見て凄まじく、経済的な影響も含めれば、まだまだ収束の兆しが見えませんが、唯一私がこの騒動で得たものは、普段当たり前だと思っていることがそうではないことを確認できたことと荒れにくい手でした。

(弁護士 宮本祥平)

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