NEWS

退職トラブルを双方にメリットのある形で解決できた事例

  1. ■事案の概要
  2. Xさんは、勤務していたY社から独立するため、Y社に対し、退職の意思を示しました。
    ところが、Y社は、Xさんを退職させないため、退職の条件として、Xさんに、退職後、Y社の事業と同様の業界に関する業務を一切行わないことを内容とする合意書の作成を要求してきました。
    Xさんが独立後に予定していた事業はY社の事業と同様の業界に分類されるものであったため、Xさんが合意書の作成を拒絶すると、Y社は、Xさんの在職中、Xさんの業務遂行によって損害を被ったなどというありもしない事実をでっち上げ、Xさんが退職するのであれば、損害賠償を請求するという内容の通知を行ってきました。
    Xさんは、Y社から損害賠償請求されることを恐れ、合意書にサインして退職をするか否かについて迷い、当事務所に来所しました。

  3. ■交渉の経緯
  4. Y社の要求は、いずれも法的に何ら理由のあるものではなかったため、当事務所は、Y社に対し、XさんがY社の主張する合意書の作成や損害賠償を行う理由がない旨の通知を行いました。
    その後、Y社との間で、Xさんの損害賠償義務を巡る交渉を行った結果、Y社もXさんに損害賠償義務を負っていないことを認め、Xさんが退職することによって、支障をきたす業務については、当面の間、Y社からXさんに対し、業務委託することとなりました。

  5. ■ポイント
  6. 勤務する会社を退職する際、退職する従業員が会社にとって重要であるほど、会社は退職について抵抗を示し、会社は、なんとか従業員を退職させないよう種々の手段で妨害することがあります。そのような妨害の方法として、退職の条件として会社に極めて有利な合意を強要したり、退職するのであれば損害賠償請求を行うなどと言ったりするケースも散見されます。
    本件におけるY社の要求は、雇用契約上も就業規則上も判例上もいずれも法的に理由のないものでした。しかし、契約法の理解なくして、その判断を行うことは容易ではありません。実際、Xさんも来所された際、Y社から損害賠償請求されることを恐れ、合意書にサインして退職をするか否か迷っていました。
    最近は、退職代行業者も増えているようですが、そのような業者には、会社の要求が正当なものか否かを判断することは困難です。
    また、従業員の退職に会社が抵抗を示す際には、その従業員が担当していた業務の遂行に支障をきたすという理由で抵抗を示している場合があります。このような場合、退職の理由にもよりますが、単に退職するよりもお互いにメリットのある解決ができることがあります。
    本件は、Xさんにとって、継続的な収入を得ながら独立を果たすことができ、Y社にとっては、従業員が退職しても業務の遂行に穴を生じさせることなく後任を探すことができる形で解決を図れたという点で、まさに、XさんとY社の双方にとってメリットのある解決ができた事例でした。

    会社からの退職を検討する際、何か懸念されていることがあれば、一度、ご相談をご検討ください。
©︎ ATSUMI LAW OFFICE.