代理人が交渉を行うことで双方にメリットとなる解決をすることができた事案 | あつみ法律事務所
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代理人が交渉を行うことで双方にメリットとなる解決をすることができた事案

  1. ■事案の概要
  2. X社は、Y社との間で業務委託契約を締結していました。しかし、X社は、経営難により、業務委託料を支払うことができず、合計数百万円の未払債務を抱えていました。 X社の前代理人であった弁護士は、Y社との交渉を行い、Y社から支払を猶予してもらうことができましたが、X社の経営は改善せず、猶予を受けた後も支払うことができませんでした。
    これを受けて、Y社は、もはやX社が支払に応じることはないと考え、弁護士を通じて、X社に対し、直ちに支払わなければ、訴訟を提起する旨の通知文を送付しました。

  3. ■交渉の経緯
  4. X社は、経営難で一括で支払うことはできなかったものの、支払の意思がないわけではありませんでした。そのため、分割での支払を申し入れることとしました。
    しかし、Y社は、すでに一度支払を猶予したにもかかわらず、X社が支払を行うことができなかったことから、当初分割での支払の申し入れを受け入れませんでした。他方で、X社の経営状態が改善しない限り、Y社が訴訟を起こしたとしても、一括で支払うことはできず、訴訟費用も必要となるため、X社の申し入れを受け入れる方が双方にとってメリットがあることは明らかでした。
    そこで、Y社の代理人に対して、X社の返済のための資金計画を詳細に伝え、根気強く説得を続けることで、Y社及びその代理人からの信頼を獲得することができ、分割での支払の申し出に応じてもらうことができました。
    X社は、その後、半年かけて、業務委託料を分割で支払い、無事、完済することができました。

  5. ■ポイント
  6. 本件は、X社に代理人が就いたことが依頼者であるX社にとってメリットとなるだけでなく、Y社にとっても、時間はかかるものの、裁判費用をかけることなく確実に返済を受けることができるという意味でメリットとなる事案でした。
    一見して、一方の当事者が感情的となっており、交渉の余地がないように見える事案であったとしても、代理人を通じてやり取りを行うことで、冷静にメリットとデメリットを検討することができるようになった結果、双方によってメリットのある形で事案を解決することができることはよくあります。
    本件でも、両社の代理人同士が交渉を行うことで、双方とも感情的な対立を大きくすることなく、両社ともに冷静な判断をした結果、双方にとって無駄なコストをかけることなく解決することができました。
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